金沢大キャンパスに足湯 一般開放し「湯どころ」PR 有馬温泉
温泉で金沢大(金沢市角間(かくま)町)は今春、キャンパス内に足湯をつくり、一般市民にも開放する。温泉の掘削から効能、活用までを総合的に学ぶ温泉学講座「ゆったり湯学」を開講しており、「山中や和倉などの名湯を抱える『湯どころの大学』をさらにPRしたい」としている。
大学によると、キャンパスの中央付近で実験用に地下150メートルからくみ上げている地下水を利用。水温は15度程度で、温泉法で定められた25度を下回り、「温泉」とは言えないが、鉄やマンガン、ケイ酸などを含み、神戸・有馬温泉「金泉」のような赤茶色をしている。地元の戸室(とむろ)石を組んで約40度に加温して流し、雰囲気をつくる。浴槽は縦1メートル、横2メートル、深さ45センチ。10人くらいが一度に腰掛けられる。
隣接地に設置する生体鉱物の被膜「バイオマット」の研究施設とあわせ、工費は約500万円。文部科学省国立大学法人支援課は「キャンパス内の足湯は聞いたことがない」という。
同大学はかつて金沢城内にキャンパスがあったが89年からの郊外移転後は学生の評判もいま一つ。独立法人化に伴い、特色を出そうと04年4月に温泉学講座を開設。学部や学年に関係なく受講でき、人気を集めている。
「ゆったり湯学」の担当で足湯建設を中心となって進めている大学院自然科学研究科の田崎和江教授は「学生と市民が交流する『井戸端』のようにしたい」と話している。
朝日新聞 - 2007年3月5日
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