「職員厚遇」の象徴…保養所など8か所売却へ
大阪市の「職員厚遇」のシンボルとして批判を浴びた互助組合や健康保険組合の直営施設計13か所のうち、8か所が売却される見通しとなった。宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)近くの保養所「宝塚荘」を12月に一般競争入札にかけるほか、滋賀・琵琶湖畔や和歌山・白浜などの観光地に散らばる施設も順次売り出す方針。残る施設のうち3か所は市民向け施設などへ転換、2施設はさらに活用方法を検討する。
売却第1号となる「宝塚荘」は1978年、市教職員互助組合が市有地に5億円かけて建設した。客室や大浴場のほか、娯楽室には、全自動マージャン台7卓を配備。市の補助金が運営費の一部に充てられ、教職員は1泊2310円で利用できた。建物は「資産価値ほぼゼロ」(市財政局)だが、敷地の市有地約2700平方メートルは路線価を基に算定すると約4億8000万円になる。
ほかにも、市健康保険組合が所有する琵琶湖のほとりの天然温泉付き保養所「湖畔荘」(大津市)や同「白浜寮」(白浜町)など京都、和歌山、兵庫、滋賀、鳥取にある保養所6か所や市交通局互助組合の会館(大阪市住之江区)も売り出す方向。
一方、ホテルなどが入る市職員互助組合運営の複合施設「ヴィアーレ大阪」(中央区)については、「建物の資産価値が高く利用価値がある」として、2007年度から市営施設に改めて、市民向けのサービスを充実させる。
市所有の建物や土地を利用している施設も含まれ、市は「売却益は市の収入になる。財政難の市に貢献できるよう、高値で売却したい」としている。
(2006年11月06日 読売新聞)
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