土曜日

廃線間近の神岡鉄道に乗客殺到、以前の10倍以上 岐阜


 岐阜県飛騨市と富山市の間を走る第三セクターの神岡鉄道(本社・飛騨市)が今月いっぱいで廃線となるのを前に、名残を惜しむ乗客が全国から殺到している。最後の週末初日となった25日には約1000人が詰めかけ、にぎわった。
 始発駅の奥飛騨温泉口駅(飛騨市)のホームには同日、終日列車を待つ乗客が列を作り、記念撮影をする人らの姿が目立った。グッズを売る店も出た。
 2両編成の車内は身動きがとれないほど混雑。「廃線を前に、開業以来初めての人出です」と車内にアナウンスが流れると、車内はどっと沸いた。

 東京都新宿区から列車を乗り継いで来た山下哲さん(46)は「紅葉がきれいで眺めがいい。廃線になるのは残念です」。同鉄道に乗るのは5回目という。
 同鉄道は、猪谷駅(富山市)までの全長19.9キロ。赤字ローカル線だった旧国鉄神岡線から84年、第三セクターとして再出発。乗客減に歯止めがかからず昨年、廃線が決まった。しかし皮肉なことに、廃線が間近になるに従って乗客が急増。週末の1日当たり乗客はここ数年20?30人だったのが、今月は400?500人。約900人の日もあった。




朝日新聞 - 2006/11/25

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