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白山麓で健康旅行を 商工会が誘客作戦 都市圏の中高年照準

 白山商工会は今年度、「健康」をテーマに、白山麓(ろく)の大自然と温かいもてなしを体感してもらう誘客作戦に乗り出した。温泉や食事で健康増進を促すモニターツアーを開始したほか、温泉や薬膳料理の効能などについての研修会を開いて商品力を高め、健康にこだわったHP(ホームページ)も作成する。大都市圏の中高年層に照準をしぼり、地域一体で滞在型健康旅行の観光地としてのブランド力と認知度を向上させ、交流人口の拡大につなげる。

 地元の観光産業が低迷する中、白山商工会は都市圏などで広がる健康ブームに着目。白山麓を滞在型健康旅行「ヘルスツーリズム」の舞台として売り込もうと、市や関係団体とともに事業を企画した。

 モニターツアーは「日本三名山・白山の恵みにふれる健康の旅」と題し、七日に二泊三日の日程で始まった。JTBヘルスツーリズム研究所、北陸体力科学研究所の協力の下、参加者に温泉や郷土料理、山歩きなどを楽しんでもらうと同時に、ストレスを中心に心身状態の変化を測定し、旅行の効果を科学的に実証する。

 八日は東京、大阪、名古屋などから集まった四十から六十代の男女十四人が、自然解説員とNPO法人加賀白山ようござったのガイドの案内で、白山市の石川県白山自然保護センター中宮展示館周辺を散策。参加者は蛇谷川の河原で横になり、澄み切った空気の中で川の音に耳を傾け、心身を癒やした。

 商工会の会員向けには、ウェブマーケティングやブログ(日記風サイト)による情報発信などを学ぶ勉強会が始まっている。十五日に温泉療養、十六日には薬膳研修会が専門家を招いて開かれ、温泉や地元食材の効能、正しい入浴法などに理解を深めてもらう。

 同商工会は「全国的にも見劣らない白山麓の自然と文化を生かし、健康旅行のスポットに育てたい」としている。


富山新聞 - 2006/11/9

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