観光で「遠山郷」活性化 人情が一番の魅力 経済アナリスト提言
「遠山郷」と呼ばれる飯田市南信濃・上村地区を愛する経済アナリストの藤原直哉さんが9日、温泉施設かぐらの湯で講演を行い、地元住民約40人を前に観光を通して遠山郷を活性化させるためのヒントを語った。
藤原さんは東大経済学部卒業後、住友電気工業、経済企画庁(当時)経済研究所、ソロモン・ブラザーズ・アジア証券などで勤務。現在はシンクタンク藤原事務所の所長として、政治や経済、国際情勢についてメディアを通じて独自の分析を行っている。
講演で、藤原さんは観光について「理屈で何かを体験させることではなく、『はっ』と思わせること。その『はっ』を都会の人は探して観光に訪れるが、たいていは地元の人にとってどうでもいいものだったりする。その『はっ』を探すためには外部の人の新鮮なまなざしが必要」と解説。
屋久島や東京・葛飾、ディズニーランドなどの観光地を例に、いかに観光客を呼び込むかを分かりやすく語った。
また、遠山郷の魅力について、「他の場所と一番違うのは人情。都会に対して卑屈にならず、自然な感じがいい。この人情を失わず、遠山とはこういう町だというコンセプトを作ることが重要」とアドバイス。「最終的な目標はこの地域に定住する人を増やすこと。そうすれば地域は栄えていく」と結んだ。
産経新聞 - 2006/12/10