「温泉学部」構想も? 立正大「源泉」掘削中 埼玉
埼玉県熊谷市にある立正大熊谷キャンパス(学生数5300人)で、温泉掘削が進んでいる。すでに地下1500メートル地点の「源泉」とみられる地層まで達し、現在、湯水の成分を分析中という。正式な「温泉」と認められれば、温泉療法などを学術的に探究する学部創設など個性化に弾みがつくものと大学関係者の期待は高まっている。
JR熊谷駅南口から車で10分の丘陵地にある約35万平方メートルのキャンパスで、ひときわ目立つのが高さ30メートルほどの温泉ボーリング用のやぐらだ。
昨年夏から掘削が始まり秋までには完了。地下からわき出た湯については、指定分析機関で成分分析が進められている。セ氏25度以上で必要成分の含有など温泉法に基づく「温泉」と認められれば、県への利用許可申請をはじめ運用に向けた手続きを始める。
温泉掘削のアイデアは、地下水学が専門の高村弘毅学長をはじめ、地球環境科学部の教授陣が中心になって発案された。少子化が進み多様化する受験生のニーズに応えようと「温泉」を核にした新たな事業展開の可能性を模索。一昨年から本格的な調査を始め、温泉含有につながる活断層がキャンパス内を走っていることを確認した。
学長自ら「良質な温泉がわき出る可能性が高い」と太鼓判を押し、全国の大学でも余り例がない温泉の掘削にゴーサインが出た。
温泉事業は、08年度から始まる熊谷キャンパス再開発の一環だ。「温泉」のお墨付きをもらえば、リハビリ療法など湯水の効能を学問的に研究する学部新設の構想も動き出す。敷地内には特別養護老人施設「立正たちばなホーム」も併設しており、わき出た湯の配湯も検討している。
朝日新聞 - 2007/1/19
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