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和風旅館減でも外国人客増 「金沢の情緒、再生したい」 金沢学会で山出市長が意向

金沢市内の和風旅館で、施設数がここ五年間で十軒以上減ったにもかかわらず、外国人の宿泊客数が二倍以上に増える珍しい現象が起きている。八日の金沢学会(金沢創造都市会議開催委員会主催)で、金沢の引力となる「本物の和」の素材として和風旅館にスポットが当たり、山出保金沢市長は金沢の魅力の一つとなっている旅館文化を守り、世界に発信するため、まちなかの和風旅館の再生支援に乗り出す方針を明らかにした。

 市観光交流課によると、市内の料亭や温泉旅館を含めた全体の施設数は、二〇〇一年に五十三軒だったのが、〇六年には四十軒に減少した。まちなかの和風旅館だけに絞ると、〇六年は十二軒減の二十三軒となり、全体の減少分のほとんどが、まちなかの和風旅館となっている。

 和風旅館が減少している背景にあるのは、金沢駅周辺で相次ぐビジネスホテル開業だ。駅周辺では北陸新幹線の金沢開業を見据えて、県外資本の進出が続いており、市内の観光関係者は「顧客を奪われたり、価格競争も起きている」「ビジネスホテルの乱立がかえって金沢の魅力を損なわせている」と指摘する。

 金沢市への観光客の入り込みも〇一年から〇六年の間に、十七万人から十四万人に落ち込んでおり、「パイが縮小し、規模の小さい旅館が体力勝負を強いられている」(関係者)という。

北國新聞 - 2006年12月8日

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