日帰り温泉・皆野「満願の湯」で美術展
埼玉県秩父郡皆野町下日野沢の日帰り温泉「満願の湯」(小笹孝寿社長)で三十一日まで、美術展が開かれている。西郷隆盛の書や人間国宝の芸術家の作品など逸品も多く、来館者から評判を呼んでいる。
文化の薫りがする温泉を目指して、来館者に心も体も満足してもらおうと企画。社長の小笹さんのコレクションから絵や書、焼き物など十五点を館内に展示している。
西郷隆盛の書は、同郷の別府晋介にあてた手紙を表装した。別府は薩摩藩士として西郷とともに戊辰戦争を戦い、西南戦争では最後に西郷を介錯して自刃した人物。この手紙が書かれた時期は不明だが、別府からの物資の調達依頼に西郷がこたえたものらしい。
そのほか、徳川家光の茶道師範を務めた茶人の小堀遠州の書、江戸時代の絵師の鳥文斎栄之の美人画、日本画家の上村松園の女性の素描画など貴重なものばかり。陶芸家の徳田八十吉、染織家の北村武資(ともに人間国宝)の作品もある。
問い合わせは満願の湯(電話0494・62・3026)へ。
埼玉新聞 - 2007年1月25日