木曜日

新泉源から待望のお湯 大津・雄琴温泉


 湯量の不足が懸念されていた大津市の雄琴温泉で、市が昨年から掘削していた新泉源から、稼働中の泉源より高温の湯が出た。「観光振興に弾みがつく」と、市や地元の観光協会は喜んでいる。

 新泉源は、同市雄琴1丁目の雄琴小跡地の地下1600メートルから掘り当てた。少量のラドンを含む低張性アルカリ性高温泉で、温度はこの地区にあるほかの泉源より18?15度高い44・2度だった。ゆう出量は毎分90リットルと、やや少ないが、各温泉施設に提供するには十分だという。

 雄琴温泉は、これまで2本の泉源から出るお湯で11の温泉施設をまかなっていたが、温泉旅館の改築などで湯量の需要が増えており、昨年9月から市が掘削を進めていた。

 外湯の建設を計画する大津市は、今後地元の旅館などと泉源の活用法を検討する方針で、「雄琴温泉のブランドイメージの向上に生かしていきたい」としている。

 雄琴温泉観光協会の針谷了会長(56)は「前年を上回るペースで来客は増えており、新泉源が見つかったことで、さらに弾みがつく」と話している。

京都新聞 - 2007/4/11

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月曜日

下呂温泉、黒川温泉、雄琴温泉など地域団体商標登録査定となった52件の特徴と課題

特許庁は10月27日、地域名と商品・サービス名を組み合わせた「地域団体商標」制度に関して、本年度4月に出願された374件のうち、以下の52件の商標に対し、商標登録査定が出願人に送達された。登録査定に対し登録料を納付することにより商標権が発生する(2006年10月28日「地域ブランドの商標登録の第一弾発表、52件に登録査定」参照)。

 都道府県別に見ると和歌山県の組合等から4月中に出願した7件については全件が登録査定された。その半面、京都は100件以上出願されたが、現在のところは8件しか登録査定されていない。

 今回登録された52件の特徴としては、「地域名+商品名」のシンプルな組み合わせが多いことがあげられる。審査の結果の是非が比較的問題にならないものから登録された模様。

 また、特定の産地でのみ生産されている商品の登録査定が多いことも特徴だ。逆に、広く知られている「地域名+商品名」からなる商標であっても、例えば「喜多方ラーメン」などのようにその地域を離れて日本全国で広く使用されているものの多くは、現在のところ登録査定には至っていない(拒絶になるか否かは現時点では明らかにされていない)。

 サービス(役務)の商標については、温泉に関するものとして下呂温泉黒川温泉雄琴温泉の3つと、鴨川納涼床の3件が登録査定されたのみ。越前おろしそばなどの飲食関係のサービスについては認可されていない。これは、例えば「越前おそしそば」であれば飲食店はおろしそば以外の提供もしており、消費者に誤認させる可能性もある。また、全国にそのサービスが流通するという性質のものではないため、商標登録を取る意義についても今後議論になりそうだ。

 なお、認定された団体は30日以内に登録料(1件6万6000円)を支払えば商標権を得られる。10月下旬までで約600件の出願があるが、特許庁は今回認めなかった分も含めて、追加資料を求めたりして順次審査していく。しかし、商標権を得たからといって、それで商品の知名度や売れ行きが好転するとは限らない。また、ニセモノ排除の法的処置には効力を発揮するが、そもそも品質や流通の管理がされなければ、ニセモノであることを特定することもできない。

 地域団体商標登録を受けた各地域の団体は、その登録商標で守られる商品又はサービスの品質や名声等をいかに維持・管理していくか、その名声等をいかに地域を活性化に結びつけるか等が課題となるだろう。


2006年10月28日

ブランド総合研究所 田中章雄、吉澤和希子

ブランド総合研究所 - 2006年10月27日

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