金曜日

三朝温泉「花湯まつり」


 温泉で有名な鳥取県三朝町三朝温泉で三日から二日間の日程で、春の風物詩「花湯まつり」が始まった。初日は、温泉街で四日夜に行われる大綱引き「陣所」で使う大綱を編む「綱からみ」があり、地元の三朝区民が総出で巨大な綱を編み上げた。

 陣所は、温泉本通りに設けられた緑門を境に、東西に分かれて大綱を引き合う伝統行事で、県無形民俗文化財に指定されている。

 綱からみは、午前八時から開始。住民は、近くの山から切り出し、温泉街を流れる三徳川に約二週間浸して軟らかくしたフジカズラを「ヨイヨーイ」の掛け声とともに編み上げた。

 編んだカズラは、細いカズラで結わえ、一日掛かりで長さ約八十メートル、胴回り約一・五メートル、重さ約二トンの巨大な雌雄二本の綱を完成させた。

 温泉街には、連休を利用して三朝温泉を訪れた観光客らが次々と詰め掛け、額に汗を浮かべて編み上げていく住民の姿をカメラに収めたり、カズラの切れ端を宝木として持ち帰っていた。

 四日は、日中に稚児行列や子どもみこしがあり、陣所は午後九時半から始まる。



日本海新聞 - 2007年5月3日

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月曜日

三朝温泉の宿泊数が減っている


山陰の名湯、三朝温泉の宿泊数が減っている。今年は三徳山の開山千三百年イベントが相次ぎ、三朝温泉にとってチャンスとみられていたが、漸減傾向に歯止めがかからない。ここ十年間で年間宿泊客は約十五万人も落ち込み、これまで死守してきた四十万人台さえ微妙な状況だ。長引く不況や旅行形態の変化で温泉街の旅館ホテルは経営体力を消耗しており、復活の切り札として「三徳山」世界遺産登録の実現を望む声も切実になっている。    (中部本社・長曽本明)
「三徳山に観光客が多くやって来て、三朝温泉もにぎわっているように言われるが、宿泊は昨年を割り込むペース」

 三朝温泉旅館協同組合の中村恭久事務局長は現状を嘆く。三朝温泉の宿泊客は一九九六年の約五十五万三千六百人がピークで、昨年は四十万人をわずかに上回った。かつての「年間五十万人」がまくら言葉だった時代は、年々遠のいている。

【写真】今年10月、初めて三朝温泉街で行われた三徳山の御幸行列。多くの観光客でにぎわったが…

日本海新聞 - 2006/12/18

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