富山県黒部市の
宇奈月温泉街で二月三日に開かれる「雪のカーニバル」で、観光客らに人気の「雪像コンテスト」の開催が雪不足のため危ぶまれている。主催する
宇奈月温泉観光協会は三十日に最終方針を決めるが、過去六十回のカーニバルでコンテストが中止になったことはなく、関係者は祈るような気持ちで空を見上げている。 (広中康晴)
コンテストでは毎年、
温泉旅館や地元企業、小学校などが雪像約三十点を
温泉街のあちこちに製作。観光客らを楽しませてきたが、今年は二十六日現在、
温泉街にほとんど雪がない状態。関係者は「トラックで運び込む案も出ているが、
温泉街周辺には運ぶ雪もない」とため息をつく。
観光協会事務局によると、一月下旬になっても
温泉街に雪がないのは「異例の事態」。昨年のコンテストで特別賞に輝いた地元の豆腐製造業、山藤綾さん(30)は「今年も大きな作品を考えていたが、もう無理でしょう。これから大雪が降ったとしても、製作日数が足りない」と肩を落とした。
カーニバル夜の部を盛り上げる「たいまつ滑降」もピンチ。たいまつを手にしたスキーヤー三十数人が毎年、近くの
宇奈月温泉スキー場から
温泉街まで滑り降りているが、今年は雪不足のため、スキー場が二十六日現在も営業を見合わせている。
たいまつ滑降は昨年、大雪によるリフト故障のため、滑走距離を大幅に短縮して実施した。関係者は「昨年は大雪に泣かされ、今年は雪不足に悩まされてます」と話す。
ただ、カーニバルは予定通り開催し、夜の部では花火を宇奈月公園で打ち上げる。たいまつを手に
温泉街を練り歩く「たいまつ行列」も実施に問題ないという。
一方、今年は地元の若者らがカーニバルを盛り上げようと、二十九日から「スノーバー」を公園内にオープンさせる。氷の灯籠(とうろう)にキャンドルをともし、雪でつくったテーブル、いすでカクテルやホットドリンク、軽食を楽しんでもらう。営業は二月二日までの五日間、午後七時から九時まで。
中日新聞 - 2007年1月26日
ラベル: まつり, 信越地方, 宇奈月温泉